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押上おしあげの家

主用途:住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工
施工:澤田大悟+清水満
設計:伊藤茉莉子+石川光希
構造:鉄筋コンクリート造
専有面積:58㎡
設計期間:2025年3月~2025年6月
施工期間:2025年6月~2025年11月

写真:貝出翔太朗

「家」ではなく、都市に点在する仕事の延長としての「拠点」を構想したマンションリノベーションである。施主は仕事柄、日本の主要都市を飛び回る生活を送っており、東京での暮らしは“居住”というより“一時的な滞在”に近い。寝床は最小限でよく、動線は一筆書きのように無駄なく連続することが望まれた。住まいに内在する「家らしさ」から距離を取り、機能性の束縛からも一度解放された空間を目指した。

既存住戸はL字状に配置された耐力壁が水回りを抱え込む構成であり、リノベーション済み物件でもあった。設備更新の効果とコストのバランスを踏まえ水回りは既存利用とし、周辺の機能空間を再編する方針とした。

計画の核は、玄関からバルコニーまでを一気通貫させるワンルーム的構成である。廊下を介して計画されるnLDK的な間取りを避け、共用廊下側に玄関を含むセカンドリビング、奥にメインリビングを並置した。メインリビングには大きな引き戸収納は、スプルースの白木とラワンの赤木で格子状に構成している。収納という機能を超えて、空間のリズムと視覚的な奥行きを与える象徴的要素として扱っている。

一方セカンドリビングは天井高を抑え空間を横断する大梁を隠したことで、奥とは異なる圧縮された空気感を獲得した。小さく囲われた木の空間は用途を固定せず、どんな行為も受け入れる余白となる。

エントランスにはロッカールームを参照した家具を据え、深緑色のパネルで腰窓を処理することで立面に明確な表情を与えた。玄関を通過点ではなく小さな居場所へ更新し、異なる要素を丁寧に接続することで「東京拠点」としての一つの“オフィス”のような空間を立ち上げた。

主用途:住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工
施工:澤田大悟+清水満
設計:伊藤茉莉子+石川光希
構造:鉄筋コンクリート造
専有面積:58㎡
設計期間:2025年3月~2025年6月
施工期間:2025年6月~2025年11月

写真:貝出翔太朗