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光を取り込み、空間を美しくつなぐ

玄関引戸のデザイン事例

玄関は住まいの印象を決める大切な場所です。そこの扉に「引戸」を選ぶことで、開閉の軽やかさや限られたスペースを有効に使える機能性、さらには風や光を柔らかく取り込む快適性を得ることができるかもしれません。直線的で端正な引戸の意匠は、古くから日本の建築に息づく「和の美意識」をも感じさせ、現代の暮らしに調和した上質な玄関を演出します。今回は、KITIが手がけた3つの住まいから、光を通す引戸の事例をご紹介します。

世田谷通りの家

玄関の高さに合わせた引戸は、空間全体をすっきりと整えます。下部は視線を遮るデザインとし、パントリーやキッチンへの目線を自然にカット。掘り込みの溝に収めた控えめな取手は、実用性を保ちながら美観を損なわない工夫です。
週末に共通の友人を招いてホームパーティをすることが多いお施主様のお住まい。出入りが多く賑やかな空間の中で、この引戸の静かで洗練された佇まいが、訪れる人を心地よく迎え入れます。
世田谷通りの家

北綾瀬の家

LDKと玄関をつなぐ引戸は、オレンジ色の工業用ビニールを使用するという遊び心を取り入れつつ、光を透過させて空間全体に夕日のような明るさを届けています。戸を閉じても暗さを感じさせず、開ければひと続きの空間として伸びやかに広がる。日常に軽やかな空気感をもたらす、心地よい仕掛けが息づいています。
北綾瀬の家

楓灯(ふうとう)の家

玄関からLDKへ光を取り込むために設けられた引戸。限られた空間の中に奥行きを与え、閉じたままでも柔らかな光が室内を包み込みます。都市生活の住まいに、自然の光を巧みに取り入れる上質な演出です。
楓灯の家

引戸は省スペースで動線を妨げず、開け放てば風や光を取り込んで暮らしを快適にと、多面的な魅力があります。
今回の事例に共通しているのは、光を通す工夫を施すことで、玄関から住まい全体に開放感と明るさをもたらしている点です。迎える場を美しく整え、暮らしに機能性と豊かさを添える引戸は住まいを彩る存在として、その価値はこれからも広がっていくかもしれません。