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一枚板いちまいいたのいえの家Ⅱ

主用途:賃貸住宅
内容:マンションリノベーション(賃貸)
分類:設計・施工
設計担当:伊藤茉莉子・安齋幸太郎
施工担当:澤田大悟
構造:鉄骨造
延床面積:23㎡

20㎡家具的リノベⅡ

23㎡の賃貸アパートのリノベーションである。施主から求められたことは水回りの設備を新しくすることのみであった。賃貸の為施主は貸主であり、住まわれる方は借り手のため、「借りたい」と思える魅力的な空間づくりが必要である。

現状のプランでの問題点として敷地形状に合わせた台形状のプランであった。既製品で暮らす賃貸利用者にとって斜めの壁に家具を合わせるのは難しい。

そのため私たちはあらかじめ斜め壁に家具をしつらえることにした。具体的には玄関からリビングまで伸びる板を設置した。板は玄関ではスタディスペースに、少し進むと収納ベンチに、リビングでは幅を緩やかに大きくしベッドにもベンチにも使えるようにしつらえた。リビングに向けてキッチンを配置しキッチンの奥行を大きくすることで、カウンターとして使えるようにした。

また小さな空間のため、可能な限り広く見えるように努めた。施主から求められた水回りの更新は玄関周りに小さくシンプルにまとめた。前述したようにリビングにキッチンを、廊下をWIC(ウォークインクローゼット)に、玄関を手洗いスペースとスタディスペースにと他の用途と兼ねるように設計した。マテリアルも空間のつながりを感じられる素材を選定した。それぞれの空間を仕切る建具や袖壁はツインカーボを使うことで透明性を演出し、水回りを濃い色、斜め壁に沿った板を白木とすることで、建具や袖壁に仕切られながらも素材による空間のつながりを演出した。 小さな空間の賃貸ではあるが、賃貸としてデメリットになってしまう部分は家具的にしつらえ、必要な要素は小さくまとめ、透明感のある素材を選定することで魅力的な住まいへと更新することができる。既存のプランを丁寧に読み解くことで賃貸でも建築家の意思を投影し住まい方を具体的にしつらえてあげることで魅力的な空間となった。

主用途:賃貸住宅
内容:マンションリノベーション(賃貸)
分類:設計・施工
設計担当:伊藤茉莉子・安齋幸太郎
施工担当:澤田大悟
構造:鉄骨造
延床面積:23㎡