


DAITO Office
主用途:事務所兼住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工・ブランディング
構造:木造
規模:地上2階
延床面積:160㎡
内容:リノベーション
分類:設計・施工・ブランディング
構造:木造
規模:地上2階
延床面積:160㎡
築35年の木造2階建の住宅のオフィスへのコンバージョン。
元の住宅は、施主であるダイトー社の社長の実家にあたり、母の他界と息子家族の自立により空き室が増えている状況であった。2世帯を想定したつくりのため、各室は比較的面積が広く、事務所への用途変更も実現できる構成であったため、この家にダイトー社の新たなオフィスを計画する運びとなった。
ダイトー社の事業内容は、土木業。現場で土を掘り、埋設物を撤去し、新たな配管を埋設し、道路に戻す、という「土との戦い」。移転前の事務所では、泥が付着した作業服のまま出入りするので、スリッパの裏に砂埃が付着し、ザラザラとして汚れているのが当たり前。そのような意識であるため、机の上は、散らかり、物の置く場所も定まらない状況。これらの土木業の、汚い、不衛星という過去からの既成概念を、刷新する必要があった。
社長から伝えられた『会社の雰囲気を大きく改革したい。とにかく業界っぽさが、出るデザインだけにはしてほしくない。』という言葉が、このプロジェクトの命題となった。また、戸建住宅から事務所へという、建物に求める性能が決して近くはない用途同士のコンバージョンで、これらの依頼主からのオーダーを汲んで建物を変えていくことは、我々にとって挑戦でもあった。
まず、入口の外に付着した泥や埃を落とす為の、エアーブラシをセットし、戻ってきた時にまずは、体を綺麗にする動線を確保した。そこから、元々の玄関の庇を利用し、気持ちの切り替えと、外から埃を断ち切るために、風除室を設けた。玄関に入ると、帰ってきた時に肘まで洗える大きな洗面台が迎え、洗面台横にあるクローゼットの扉はハーフミラーの引き戸となっている。そこは、出発する時、帰ってくるときの姿見となり、身綺麗にする事を習慣にしてもらう為の環境とした。1階の一連の流れにより、外から帰ってきた時に、身も心も一旦整える環境に重点を置いた。
そこから2階に上がり全体の執務室となる。今まで、母の部屋として使われていた二階の空間は、バルコニーとその先に河川がある外部へとつながる空間となっており、階段から上がるところからの景色は、ゆるやかに光の延びを感じる空間となっている。そのバルコニーに向けて、社長室、執務室へと繋がっていく。広い廊下の横に最小限で設けた社長室は、ガラス建具とし、常に従業員と視線が通う空間としている。手前の執務室は、フリースアドレスにする事で、働く人が、自由に繋がる環境とし、奥の執務室は固定席となる為、天井を剥がし小屋組みを見せる事で、固定で座る従業員が少しでも開放的な空間になるように計画した。それぞれの空間に意図を持たせ、最大限使い切る事で、窮屈さを感じさせることのない住宅から事務所へのコンバージョンが実現した。
事務所の引越を終え、この先の事業、そして土木業の未来まで考える社長は、『女性もが、活躍ができる土木事業の会社を目指したい』と、未来を見据えた目で我々に語ってくれた。
主用途:事務所兼住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工・ブランディング
構造:木造
規模:地上2階
延床面積:160㎡
内容:リノベーション
分類:設計・施工・ブランディング
構造:木造
規模:地上2階
延床面積:160㎡




