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北綾瀬きたあやせの家

主用途:住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工
施工担当:澤田大悟
設計担当:伊藤茉莉子+寺澤宏亮
構造:鉄筋コンクリート造
延床面積:69.07㎡
設計期間:2023年12月~2024年5月
施工期間:2024年6年~2024年9月
写真:貝出翔太郎

回遊と猫とオレンジ建具

都内70㎡のマンションの改修。2人の夫婦と2匹の猫が住む家を計画した。

南側の3つの窓面それぞれに別の個室が配置されていた既存の間取りを解体し、3つの窓面すべてに面する形で大きなLD空間を構える構成に変えた。この東西に長く伸びるLDの中央部には幅広(2700㎜)のカウンターキッチンを設け、ここから「DJブース」のようにLDK全体が見渡すことができる。キッチンの横には化粧台スペースが並び、高さの揃った腰壁と、ソファ背面のワークテーブルが腰の高さで連なる。これらの家具と建具をラワン合板で作ることで意匠に利かせている。

さらにはリビングに出入りする建具を、透明なガラスの框戸でなく、オレンジ色のビニール製の框戸を用いることで、新素材によるアクセントにしている。このビニールは通常は工場の出入り口使われる防虫のカーテン用のものだが、網戸を張るのと同じ要領で、建具の框の内側に引っ張って四周を押縁で抑えることでガラスの框のように見せている。日中には窓面の光をオレンジ色に透過するため、廊下空間全体にオレンジ色が投影されるという演出的な効果がある。

プラン全体では、バックヤードになる洗面室やWICは、ウォークスルー形式にすることで全体を回遊できる動線になっており、キッチン+トイレ+洗面台はこの回遊動線のコアとして見立てられる。全体の回遊性を上げることは生活の利便を良くするとともに、猫たちの動きに楽しみを与える。また、リビングの梁にはキャットウォークを設けており、猫はワークカウンターと化粧台の脇にある棚階段を使って上り下りできる。キャットウォークは半透明のアクリル板でつくっており、下から猫の様子や肉球を見上げるという楽しみをもたせている。

猫用トイレの計画も猫と人間の双方にとっては重要で、通常リビングの床に置かれることが多いが、この家の猫用トイレは廊下収納の下部に隠し、人間用の扉とは別に猫専用の通り抜け穴を設けることで、臭いと猫のトイレまでの動線の問題を改善している。

主用途:住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工
施工担当:澤田大悟
設計担当:伊藤茉莉子+寺澤宏亮
構造:鉄筋コンクリート造
延床面積:69.07㎡
設計期間:2023年12月~2024年5月
施工期間:2024年6年~2024年9月
写真:貝出翔太郎