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町田まちだの家

主用途:住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工
施工:澤田大悟+清水満
設計:伊藤茉莉子+安齋幸太郎
構造:鉄筋コンクリート造
専有面積:72.83㎡
設計期間:2025年2月~2025年8月
施工期間:2025年8月~2025年11月
写真:貝出翔太郎

可変性と普遍性の間

川沿いの景観に向かって大きく開いたマンションの一室を、家族のライフステージに寄り添う住まいへと再構成した。施主がこの部屋に惹かれた理由は、川に対して広く開いた間口と、奥行きが浅く伸びやかなバルコニー。その開放性を活かしながら、家族の成長や暮らし方の変化に柔軟に対応できる空間を目指した。

一般的なマンションの間取りでは、子供部屋をあらかじめ用意しておくことが多いが、本来の子供部屋として使う期間は長い暮らしの中で意外と短く、その後は物置として機能が固定されがちである。そこで本計画では、LDKとは別に、リビングと同程度の広さを持つ「用途を限定しない部屋」を設けた。居室内には間仕切り壁を設けず、子供部屋にも収納にも、将来的には別の用途にも変化できる大らかな余白としている。

反対に造作はすべて複数の具体的な役割を持つよう計画している。玄関横には小上がりのスペースを設け、床下には季節物を収める大容量の収納を確保。唯一建具で仕切られる小部屋として、来客時には両親の寝室としても機能する。グリッド棚正面にはヌックを設置し、下部収納はクッションを置けばソファにも小さなベッドにもなる。隣戸側にはデスクスペースを設け、LDKとの間仕切りには弊社の事務所で製作したツインカーボの建具を住宅用にアップデートすることで採用した。枕棚下にはハンガーパイプを設置し、急な来客時には衣類をここに収め、建具で目隠しできる仕組みとした。また「用途を限定しない部屋」とLDKの境にはグリッド棚を配置し、それぞれの居室の窓を開放すると、北東から南西へとグリッド棚の隙間を風が抜ける、周辺環境とのつながりさえも感じられる構成とした。

普遍的なLDK、可変性の持つ部屋がL字でつながるこの家は、一つ一つの造作に明確な役割と複機能性を持たせることで、家族の変化を受け止めながら長く快適に暮らせる住まいを目指した。

空間の可変性と造作の確かな役割づけが、長い時間軸に寄り添う、安定した住まいの骨格を形づくり、これからの暮らしに豊かな自由度をもたらすことを願っている。

主用途:住宅
内容:リノベーション
分類:設計・施工
施工:澤田大悟+清水満
設計:伊藤茉莉子+安齋幸太郎
構造:鉄筋コンクリート造
専有面積:72.83㎡
設計期間:2025年2月~2025年8月
施工期間:2025年8月~2025年11月
写真:貝出翔太郎